どしろうと製作所:WebLog

どしろうと製作所のBlogバージョンです。
「どしろうと製作所」のHPの記載内容とはあまり関係無いです。
気が向いたときのみ更新します。
SEが読んでみる「クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡」その
書籍紹介として「クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡」について記載しました。

この書籍内容に関しては、IT系の開発や活動においても役立つ考え方が多数ありますので、特に気になった項目を中心にいくつか紹介しておきます。
その△箸靴董峽舛狼’修暴召Α廚箸いι分についての言及に対して考えてみます。
コンテンツは以下。
・「形は機能に従う」について
・機能の2つの意味
・それでは、機能とは?


■「形は機能に従う」について
こちらは、建築のモダニズムにおいて出てきている言葉で、当時は反対する人がほとんどいなく強力な説得力を持っていたものです。
例としては「高いところにある葉を食べるためにキリンの首は長くなった」というもの。

しかし、「機能」という中心の概念について当時合意された定義が存在していない、という状況でした。

…よくありそうな話です。納得いくような表現ですが、実は抽象的で何となくな表現。そして、どちらが先にあるか分からないような状態で停滞する。
トートロジー(循環論理)で停滞する状況です。


■機能の2つの意味
さらに書籍上では「機能」という表現を2つの異なる意味で使用している、と記載されています。扇風機の例が分かりやすい内容でした。
1.扇風機は前にいる人を涼しくする機能を持つ
2.扇風機は羽根を回転させて一定の風速の空気の流れを発生させる機能を持つ

この辺に関しては、IT業界の開発における機能の考え方にも通じることがあり、興味深いです。
デザイナーと科学者の双方の視座で2種類を整理しています。

1.目的・意図@デザイナー
1つ目の表現は機能が目的・意図を表しています。こちらは、デザイナー側の意見として、形を定める前に形に基づく動作が決まっている…というのは都合が悪いです。
形を作るためにはその目的や意図した動作が表現されなければいけません。

2.実際の形に基づく動作@科学者
2つめの表現は実際の動作を示しており、科学者側として使いやすい表現です。
科学者は観察を行って、実際の観察結果に基づいて動作や働きといった意味としての機能を考えます。
したがって、こちらの表現の方が都合の良いというコトになります。


…形を定める立場、形ありきで観察する立場。それぞれで異なる表現をイメージします。このどちらかを決めないで「機能」という表現を使うからには曖昧になるはずです。
実際の活動においてもこの表現の意味が曖昧なまま循環的な論理で何となく納得する状況があります。

ロジックを考える場合に注意した方が良い典型的な例とも言えますね。


■それでは、機能とは?
「形は目的に従う」でも良いのでは?ということが言われていましたが、これに関しては「ノー」という一説が記載されています。書籍内では「客観的な真理が存在する」という表現をされています。

目的に従う、とした場合にはデザイナーの嗜好が含まれてしまうことになります。対して、「形」は砂鉄と磁石で出来るような(人の嗜好が含まれない)客観的な基準を持つ、ということでした。
なお、アレグザンダーの「センター」の概念がこちら(客観的側)に近い哲学となっております。

ただ、機能に対する最終的な記載としては「モダニズムのデザインを特徴づけると思われた「機能」という考え方は、時と場合によって都合よく解釈されえるモノであり、あまりあてにならないものであった」
…とのこと。おうふ。ただ、「機能」の2通りの考え方自体については把握しておくと役に立ちそうです。


結論の出ない話でしたが、色々と面白い知見を与えてくれたのでメモしておきました。
次は、システマティックな世界としての判断とアレグザンダーの手法について記載します。
| パターンランゲージ | 08:40 | comments(0) | - |









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