どしろうと製作所:WebLog

どしろうと製作所のBlogバージョンです。
「どしろうと製作所」のHPの記載内容とはあまり関係無いです。
気が向いたときのみ更新します。
SEが読んでみる「クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡」その
書籍紹介として「クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡」について記載しました。

この書籍内容に関しては、IT系の開発や活動においても役立つ考え方が多数ありますので、特に気になった項目を中心にいくつか紹介しておきます。
そのΑこれで最後です。「センターの概念と輝ける大地」

謎のタイトルとなっておりますが、実際のアレグザンダーの著作名を含んでいます。なお、こちらの内容は、正式な理解はまだ遠いと感じている部分なので軽く流します^^
コンテンツは以下。
・形と価値、二元分裂
・全体性とセンター
・センターの概念の例
・生き生きとした構造
・輝ける大地へ


前回、パターンランゲージの紹介を行いました
が、建築の世界ではパターンランゲージは成功したとは言えない状況でした。そこで、もう一度デザインについて考え直します。…世界は深いです。

形と価値、この2つが別々ではなく一体である世界観を新たに構築することを考えました。


■形と価値、二元分裂
形と価値が別の事柄だと考えるとして、その違いが以下の2種類の性質に関連していると言われております。
第一次性質:大きさや長さ、重さといった客観的認識を生み出す性質
第二次性質:赤さや暖かさなど、人の間隔から生じる性質

「形」は第一次性質によって構成されているため、誰とでも共有できる客観的なものに出来ます。
しかし、第二次性質が加わり主観的な価値づけがされます。そのため、形を作るプロセスがあっても、第二次性質に対する考慮が無いと価値の低いものになる可能性が発生します。


■全体性とセンター
そうすると、第二次性質に対しても客観性があれば良いという考え方に至ります。
その客観性は人の内面の価値基準が違うと人それぞれ異なってしまう…とも考えられますが、アレグザンダーは統一的な価値基準があるという考え方をしました。

この価値基準に対して、言葉として「生き生き(Lively)とした構造」や「生命(Life)」を感じるといった表現が行われております。
※こちら、本記事の文書のみでは飛躍を感じるかもしれません。この流れに関しては興味がある方がおりましたら書籍で確認ください。

さらにこの生き生きとした構造には何か言葉に出来ないような秩序が存在していると考え、この秩序の元となるものに対して「全体性」という言葉を用いました。
全体性に対しては、1枚の紙に1点を設定することによる領域の発生の考え方が面白いです。※こちらも書籍参考。

この全体性ですが、さらに個別の要素を持ち重なり合う入れ子要素で構成されていると言う考え方を行います。関連性についてはよく出てくる「セミラティス」の構造が意識されていると思われます。

こちらの「全体性を構成する要素」が「センター」という用語で定義されております。


■センターの概念の例
センターの概念、非常に×100倍な難しさを持つのですが、Agile Tour Osaka2015にて紹介された方法を1つ紹介します。
・人の顔を書きましょう
・相手の鼻のみを記載します
・鼻を書くことをが出来たら、鼻との相対的な位置を考えながら口を書きます
・口の後は目、顔の輪郭、髪の毛、耳と描いていきます

さて、こちらの手順において最初に描いた鼻は描く対象の顔の一部でありながら全体の顔に影響します。また、鼻の次に描いた口も、鼻に影響を受けながら(相対的なサイズなりを考えて)描かれて全体性を決める一部になります。

この「全体性を持つ一部」という考え方がセンター、という理解が出来ました。


■生き生きとした構造
「生き生きとした構造」に対してセンターの概念を用いながら幾何学的な特徴を整理されております。
こちらの特徴は15個あるのですが、「スケールの段階性」、「力強いセンター」、「局所的シンメトリー(対称性)」などで表現されております。

これらの幾何学的な特徴を持つ「生き生きとした構造」が発生するプロセスとしては、既に存在している全体性に対して、「構造を保存するような変換を繰り返し適用した結果として、多くの場合自然に生じる」といったことを示されております。

<所感>
さて、少しだけIT系の開発に対する言及をしてみますが、実際に大規模で派生的な開発を繰り返し行われている場合において、作られたものに対して継続的に変換を繰り返すようなプロセスは発生しております。このプロセスを上手く扱うことで、良いプロダクトを作り出すことが出来る可能性も感じます。
実際にアジャイル的な繰り返し開発を行う場合に近いと思われますので、アレグザンダーの概念をある程度知っていることで、より「生き生きとした」方向に進むことが出来るかもしれません。


■輝ける大地へ
第二次性質に対しての客観性に対して、統一的な価値基準があるということを記載していましたが、「諸価値基準の相違は、ある一つの中心的な価値基準に訴えれば解消できると私は信じている」ということがアレグザンダー著作「ザ・ネイチャー・オブ・オーダー」第4巻の「輝ける大地」に記載されております。

こちらの書籍は「宗教的な書籍」と言えるものとなっており、中心的価値基準「神」のもとに「輝ける大地」において統合されるという世界観に最終的にたどり着いた、ということです。



さて、今回で連続して記載した内容は終了にします。
今までの内容がさらに詳しく紹介され、さらにセミラティスの考え方や認知心理学の研究における対称性の概念も含めて書籍「デザイン行為の意味を問う クリストファー・アレグザンダーの思考の軌跡」に記載されております。

壮大なデザインへの探求の旅、考える事が沢山出てくる名著でした。
| パターンランゲージ | 11:02 | comments(0) | - |









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