どしろうと製作所:WebLog

どしろうと製作所のBlogバージョンです。
「どしろうと製作所」のHPの記載内容とはあまり関係無いです。
気が向いたときのみ更新します。
書籍紹介:デッドライン(1/2)
「プレッシャーをかけても思考は速くならない」

…という言葉が一番心に残りました。
トム・デマルコ氏の書籍シリーズ、デッドラインです。
デッドライン

デマルコ氏の他書籍と同様にプロジェクトで発生するような課題に対しての手法や考察について記述されているのですが、他の書籍とは異なり小説形式で書いてあります。
時期を考慮すると、「ザ・ゴール」あたりと対抗したのではないかとも予想されます。
ざっとした内容は現代におけるファンタジーですね。
主人公が突然モロビア共和国と国に連れ去られます。そこで世界一のソフトウェア開発を行うということで、考えられる限り最高の環境で開発を行っていく(ただ、悪役的な邪魔者もいますが)…という感じです。

世界一のソフトウェア(日本一とか世界一とかそういう名前の会社では無いです)というのが、他のアプリの模倣的なプロダクトを作るというもので、Notes、PageMill、Painter、Photoshop、QuarkxPress、Quicken、さらにはオリンピックに向けた空港の航空管制システムまで追加で作る必要があるというトンデモナイプロジェクトです。

流れとしては…
・人材の獲得・採用から配置まで
・開発予定のモデル化とシミュレーション
・開発におけるもろもろの出来事
・対立や問題解決に対する方法

といったことが、ストーリー中にデマルコ氏の知見を多数埋め込んで書かれております。

それぞれの章単位で教訓が書かれていますので、それを見ておくだけでも良いかもしれません。
なお、「教訓」に関しては次回写経した内容として展開しておきます。

いくつか興味深い内容についてPickUpしておきます。

☆管理ごっこ
人材の選択、適材適所の配置、士気の維持、チーム構成に関して考えないものは管理ごっこである。

☆恐怖によるマネジメント
仕事の完了に対して「出来なかったら首を皿に載せるぞ!」といった脅しを行った場合、「要求と異なる内容を言われたために遅れる」などの出来ない場合の「言い訳」を探すようになることに加え、より良い方向に進めるための提案などは行われなくなる。

☆プロジェクトの成果としてのチーム
結束の高いチームと言うのは、プロジェクトの成果の一つとして数えるべき。

☆失敗の打ち切りに対する判断
失敗するであろう作業をどれだけ早く打ち切れるかということにも気を付ける。

☆直感のモデル化
直感のモデルを作成し、そのモデルを使って結果をシミュレートする。
モデルは、”実際にどうやるか?”を明確にし、実際の結果と比較することでより確かなものに出来る。
他にも直感を持つメンバーと共有することで、お互いから学び、直感的な知恵を組合わせることが出来る。
※書籍には直感をモデル化する具体的な例が出ており、非常に興味深い内容となっております。

☆開発における数量化
自分達に役立つ尺度は作ることが出来る。原始的に取れる数値を考古学的に研究して組合せることで役に立つ数値が得られるようになる。

☆ドキュメントの扱い
市販ソフトを模擬するような場合、市販のユーザーマニュアルの方が優秀であり、わざわざ要求文書を作る必要は存在しない。ユーザーマニュアルと要求仕様書の両方として使える資料を作るという方法も有りうる。

☆徹底的な設計
レビューする価値があるくらい、実施あのコードに十分近づくまで設計をすることで、デバッグの時間を圧倒的に減らすことが出来る。
※XDDPはこの考え方を実践していると思われますね。

☆設計による切り分けと人数
特に初期の設計が完了して、切り分けが明確になるまでは少人数で検討すべき。
殆どのプロジェクトでは実質的に人数過剰になっている。

☆会議の儀式:人が多すぎる会議の減らし方
(事前に議事予定表を展開すると下記は不要になる場合も)
1.会議から一人でも開放することに価値があることを告げる。
2.出席者全員がそれに同意する。
3.人を開放すれば、他にどんな貴重な仕事を出来るかを考えて1人以上を開放する。
4.解放された人が別れの挨拶をして、会議でどんなことが起きるのを見たいか告げる。
5.解放された人が離席するときにグループが承認を示す。

☆上手く行ったプロジェクトでのマネージャー
やるコトが無くなる。人事を尽くした後はメンバーに任せることになり、何もせずに進んでいく…というものになる。


個人的には特に「直感のモデル化」が気に入りました。
書籍のやり方をより深い理解に落とし込んで、実践してみたいと考えております。


最後ですが。
デマルコ氏は小説形式は向いていない〜(>_<)と思うのでした。
ストーリー的ですが、全体の流れはあり得ない状況の発生がファンタジー的、分かりやすい悪役の突然の登場、言いたいことにあわせるために突然な流れも多く、突飛で陳腐な感じもしなくもないです。
※ただ、実際の仕事でもそんな感じだろ、と言われたらその通りかもしれませんケド…

個々のエッセイをあわせこんだ形式のアドレナリンジャンキーのような形式の方が向いているのではないのかな、と感じた次第です。

とはいえ、こちらもソフトウェア開発を行っているのであれば教訓となる内容多数です。
読んでみる価値は非常に高い書籍です。
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